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遺言書で遺産分割トラブルを効果的に予防する方法を弁護士が解説!

  • 相続問題

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遺産相続をするときには、トラブルがつきものです。将来、子どもたちが遺産相続をするとき、トラブルが起こらないか心配だという方も多いでしょう。

相続トラブルを効果的に予防するためには、遺言書を作成しておく方法が有効です。

今回は、遺言書によって遺産相続トラブルを効果的に予防する方法を、弁護士法人YMPの弁護士が解説します。

遺産トラブルは、他人ごとではありません

相続が起こると、「自分の家庭に限ってそのようなことはない」、と考えているケースに限って、相続争いが起こるものです。

相続トラブルというと、一部の富裕層の家庭で起こっているものだと思われていることがありますが、実際にはそういうわけではありません。平成27年度の裁判所の統計によると、遺産分割調停の総数は8141件でしたが、遺産の価格が5000万円以下の事案が76%以上となっています。

http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/746/008746.pdf

つまり、相続人が遺産分割調停をしても解決ができなかった事案の7割以上は一般中流家庭で起こっていることがわかります。遺産トラブルは、決して他人事ではありません。

遺産トラブルで多いパターン

それでは、遺産トラブルでは、どのような例が多いのでしょうか?

遺産に、不動産が含まれる場合

1つには、遺産の中に不動産がある場合です。不動産は、価値が高い財産ですが、分割が難しい性質を持っています。預貯金や現金のように、簡単に割合的に分けることができないからです。一人の相続人が相続すると、他の相続人が不満を感じますし、代償金を支払うとしても、高すぎて支払えないということがあります。不動産を売却する方法もありますが、相続人が複数いると、反対意見も出るものです。

そこで、相続人全員が一致した結論に至ることができず、トラブルにつながります。

特別受益を受けた相続人がいる

相続人の中に、特別受益を受けたものがいる場合にも、トラブルになりやすいです。特別受益とは、被相続人(亡くなった人)から生前贈与や遺贈を受けた場合の利益です。特別受益を受けた相続人がいると、公平のため、その相続人の遺産取得分を減らします。

ただ、受益を受けた本人は、特別受益を受けたと認めると不利になるため、受益を否定したり、受益分の評価を低く見積もったりすることが多いです。すると、他の相続人が納得せずにトラブルになります。

寄与分を主張する相続人がいる

寄与分を主張する相続人がいる場合にも、トラブルになりやすいです。寄与分とは、遺産の維持や形成に特別の貢献をした相続人がいる場合に、その相続人による遺産取得額を増やすことです。

ある相続人が、「寄与分を認めてほしい」と主張しても、他の相続人が「寄与などしていない」と言って認めないために遺産分割協議が難航することが多いです。

遺産隠しを疑う

特定の相続人が、「遺産を隠しているのではないか?」と疑うケースも多いです。たとえば、父親と長男が同居していたときに父親が亡くなると、弟や妹が「兄は父名義の預貯金や現金を隠し持っている」と主張して、争いになるパターンです。

遺言書によって、遺産トラブルを防止できる

遺言書で、遺産トラブルを予防しよう!

相続トラブルが起こると、相続人同士が激しくいがみ合い、遺産分割調停や審判が必要になって、解決までに長期間がかかります。そのようなことを防止するためには、遺言書が非常に有効です。

遺言書は、遺言者の最後の意思を明確にする書類です。財産の処分方法の指定や相続分の指定などをすることができます。遺言書の内容は、民法が定める法定相続分に優先するので、遺言書によって予めそれぞれの相続人の遺産取得分を定めておけば、相続人らは遺産分割協議をする必要がなくなります。相続トラブルが起こるのは、相続人が遺産分割協議を行う場面ですから、遺言によって予め遺産分割法方を定めておくと、相続トラブルを予防できるのです。

遺言書で相続トラブルを予防できる例

たとえば、不動産を残す場合、特定の相続人に不動産を相続させることにして、他の相続人には預貯金などの他の財産を相続させると指定しておくと、不動産が紛争の種になることを避けられます。

また、遺言によって、特別受益の持ち戻しの免除をしておけば、特別受益がある相続人と他の相続人との間でトラブルになることも避けられます。

遺言をするときには、遺産の明細を明らかにするので、「もっと他に遺産があるはず」「遺産を隠している」という疑心暗鬼によって、相続トラブルが起こるおそれもありません。

遺言書作成時の注意点

遺言書を作成するときには、いくつか注意点があります。

遺言書の種類を選ぶ

遺言書には、いくつかの種類があります。そこで、作成するときには、どのタイプの遺言書を作成するか決めないといけません。一般的によく利用されるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言は、遺言者が全文を自筆で作成する遺言書です。自宅で手軽に作成できますし、費用もかからない点がメリットですが、無効になりやすく、信用性が低いために将来相続人から「偽造」と言われるおそれが高い点がデメリットです。また、自宅に保管していても、発見されないことがあります。

公正証書遺言とは

公正証書遺言は、公務員である公証人が、公文書として作成する遺言書です。公証役場で作成しなければなりませんし、数万円の費用もかかります。しかし、公証人が適式な方法で作成するため無効になる可能性が低いですし、信用性が高いので、将来の遺産トラブルを効果的に防ぐことができます。公証役場で検索できるので、発見されない恐れも小さいです。

弁護士が遺言書作成をサポートするときには、主に紛争予防効果の高い公正証書遺言の作成をお手伝いします。自筆証書遺言を作成する場合にも、無効にならないよう適切なアドバイスをしますし、できあがった遺言書をチェックすることも可能です。

無効にならないようにする

遺言書を作成するときには、無効にならないように注意すべきです。

特に、自筆証書遺言にはいろいろな要式があるので、気を抜くと簡単に無効になってしまいます。パソコンでの文書作成は認められておらず、代筆を依頼することもできません。本文だけではなく、遺産目録まで手書きで作成する必要があります。誰にどの遺産を取得できるのか、明らかにわかるように遺産を特定しなければなりませんし、日付や署名押印も忘れてはなりません。加除訂正にも適式な方法があり、間違えると無効になります。

また、自分の死後、きちんと発見されるように、相続人に探し出してもらえる場所に保管しておく必要があります。

遺留分にも注意が必要

遺言書を作成するときには、遺留分にも注意が必要です。遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる、最低限の遺産取得分のことです。遺言によっても、遺留分を侵害することは認められていません。

遺言によって、「すべての遺産を特定の相続人に取得させる」と定めていても、他の相続人が遺留分減殺請求(遺留分を請求すること)をすると、相続人同士で遺留分をめぐってトラブルになってしまいます。相続争い防止のための遺言が、逆に相続トラブルの種になってしまうのです。

そこで、兄弟姉妹以外の法定相続人がいる場合には、それらの法定相続人の遺留分に相当する価額の遺産を、取得させることが重要です。たとえば、相続人として長男と次男がいるときには、長男に遺産をすべて取得させたいとしても、次男にも4分の1程度の遺産を残しておきましょう。

トラブル予防に効果的に遺言書を作成するためには、弁護士にお任せ下さい

遺言所を作成するときには、どの種類の遺言書を選択するかを決定し、それぞれ適切な方法で作成しなければなりません。遺留分に配慮することも必要です。自分では、遺言書の作成方法がわからないこともあるでしょう。

弁護士法人YMPでは、遺言書作成のサポートにも力を入れており、多くの方のご相談をお伺いしてきました。このことで、無事に遺産トラブルを予防できたケースも多くあります。遺言書作成によって、効果的に遺産トラブルを防ぎたいとお考えの方は、まずはお気軽に当事務所までご連絡下さい。