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遺留分減殺請求とは?期限に注意して確実に成功させよう!

  • 相続問題

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遺言や贈与のために、法定相続人が遺産を受け取れなくなったときには、「遺留分」を請求することにより、最低限の遺産を取り戻すことができます。

ただ、遺留分請求の際には、いくつか注意しておかないといけないことがあります。話合いで遺留分の返還を受けられなかった場合の解決方法も、押さえておきましょう。

今回は、遺留分減殺請求の方法について、弁護士法人YMPの弁護士が解説します。

遺留分減殺請求とは

遺留分とは

遺留分減殺請求とは、一定の法定相続人に認められる「遺留分」を請求することです。

相続が起こったとき、原則的には法定相続人が法定相続分に従って、遺産を相続します。しかし、遺言や死因贈与、生前贈与などがあり、本来相続人であっても、遺産を受け取れなくなることがあります。このようなとき、法律は、最低限の遺産の取り分として「遺留分」を認めています。たとえ、遺言をもっても遺留分を侵害することはできません。

遺留分が認められる相続人は、兄弟姉妹以外の相続人です(兄弟姉妹の代襲相続人にも遺留分は認められません)。

遺留分は、請求しないと受け取ることができない

遺言や贈与によって遺留分が侵害されたとき、何もしなければ、遺留分は返ってきません。遺留分を返してほしい場合には、遺言や贈与によって遺留分を侵害している相手に対し、遺留分の返還請求をしなければならないのです。その返還請求のことを「遺留分減殺請求」と言います。

相続が起こったときに、自分の遺留分が侵害されているとわかったら、「遺留分減殺請求」をするかしないのかを決めなければなりません。

遺留分減殺請求の方法

以下では、遺留分減殺請求の方法を説明します。

内容証明郵便で遺留分減殺請求書を送る

遺留分減殺請求をするときには、まずは相手に内容証明郵便で「遺留分減殺請求書」を送ります。このときの相手方は、遺言によって遺産を引き継いだ人や、死因贈与、生前贈与によって遺産を譲り受けた人です。たとえば、遺言によって長男がすべての遺産を引き継いだ場合には、長男を相手に遺留分減殺通知書を送ります。

証拠を残すため、内容証明郵便を使う

次に、「内容証明郵便」による通知が必要になる理由を説明します。

確かに法律上、遺留分減殺請求の方法について、特に決まりはありません。理屈としては、口頭で「遺留分を返して下さい。」と言っても、遺留分減殺請求は有効です。ただ、遺留分減殺請求には期限があり、確実に期限内に請求したという証拠が必要になります。口頭で請求をしただけでは、相手から「遺留分減殺請求されていません。期限が経過しているので、もう権利は認められません」と言われてしまうおそれがあります。そうなると、もはや遺留分請求ができません。

そこで、遺留分減殺請求をするときには、確実に証拠が残る「内容証明郵便」で通知書を送る必要があります。

内容証明郵便とは

内容証明郵便というのは、差出人と郵便局に、発送したのとおなじ文書の控えが残るタイプの郵便です。郵便局が、確定日付も入れてくれるので、確実に期限内に遺留分減殺請求をしたことを証明できます。

内容証明郵便を出すときには、まったく同じ内容の書面を3枚用意して、郵便局に持参します。内容証明郵便用の複写の用紙を使っても良いですし、パソコンで文書を作成して3枚プリントアウトしてもかまいません。

すべての郵便局で内容証明郵便の発送を取り扱っているわけではないので、事前に取扱いがあるかどうかを調べてもっていきましょう。料金は1200~1500円くらいです(普通郵便82円、内容証明料430円、書留料430円、配達証明料310円、速達料280円)。また、ネット上で、電子内容証明郵便を利用することもできます。料金もほとんど同じです。日中に郵便局に行く暇がないなら、利用すると良いでしょう。

配達証明について

内容証明郵便を出しに行くと、「配達証明をつけますか?」と聞かれます。配達証明というのは、相手に文書が送達されたときに、郵便局が知らせてくれるサービスです。配達証明をつけると、相手から「遺留分減殺請求書を受けとっていない」と言われることがなくなるので、必ずつけておきましょう。

遺留分減殺請求書の文例

2017年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇 △ 丁目△ 番△ 号

〇〇〇〇 様
                      神奈川県〇〇市〇〇 △丁目△番△号
                                  △△△△
前略 
あなたは、平成○○年○月○日に死亡した被相続人〇〇〇〇から、平成○○年○月○日付け遺言によって遺贈を受けておられますが、上記遺贈は、私△△△△の遺留分を侵害しております。
そこで私は、本書をもってあなたに対し、上記遺贈の減殺請求をいたします。
敬具

最低限、上記の内容がかけていたら有効です。遺言の内容や遺産の内容などを具体的に記載してもかまいません。

遺留分侵害者と話し合う

内容証明郵便で遺留分減殺請求書を送ったら、その後、相手との間で、遺留分の返還方法を話し合います。このとき、現物で返してもらう現物返還による方法と、お金で賠償してもらう価格弁償という方法があります。

価格弁償は、現物返還が難しいときに利用することができます。たとえば、遺言によって相手が不動産を相続した場合、不動産そのものを返してもらうことは難しいです。全部返したら「返しすぎ」になってしまいますし、かといって共有にすると、後日共有関係を解消する手続きなども必要になり、面倒です。そこで、遺留分に相当する額の金銭を払ってもらうことにより、解決することができます。

このようにして、遺留分の返還方法について話合いが成立したら、その旨を合意書にまとめます。そして、合意した内容に従って、相手から支払いまたは遺産の返還を受けることになります。

遺留分減殺調停をする

遺留分減殺調停とは
遺留分減殺請求後、相手と話合いをしても、合意ができないことがあります。相手から無視されることもあるでしょう。そのような場合には、家庭裁判所で「遺留分減殺調停」という調停を行います。遺留分減殺調停とは、裁判所で遺留分の返還方法を話しあうための手続きです。家庭裁判所の調停委員が間に入って、話合いを進めてくれます。

遺留分減殺調停のメリット

遺留分減殺請求をするとき、請求者と侵害者の感情が対立することが多いです。侵害者は、被相続人の愛人ということもありますし、請求者と侵害者が兄弟姉妹というケースもあります。そこで、当事者間で話し合うことが困難になりやすいです。調停委員が間に入ると、申立人(請求者)と相手方(侵害者)が顔を合わさないで話をすることができますし、調停委員が解決案を提示してくれることもあり、解決がしやすくなります。

遺留分減殺調停でも、現物返還か価格弁償かを選ぶことができます。不動産が対象になる事案などでは、価格弁償を選択することが多いです。

何度か話合いを繰り返して合意ができたら、調停が成立します。調停が成立すると、調停調書という書類が作成されて、その内容に従い、遺留分の返還を受けることができます。

遺留分減殺請求訴訟をする

遺留分減殺調停によっても、お互いに合意ができない場合には、遺留分減殺請求訴訟という訴訟手続きを利用するしかありません。遺留分減殺請求訴訟は、家庭裁判所ではなく地方裁判所で行うので、注意しましょう。

訴訟では、原則的に現物返還による解決方法となります。ただし、当事者双方が価格弁償による解決を望む場合には、価格弁償の判決をしてもらうことも可能です。

遺留分減殺請求の期限

遺留分減殺請求ができるのは、遺留分の侵害があったことを知ったときから1年です。相続が開始したことと、遺言や贈与の内容を知ったときから1年が経過すると、時効によって遺留分減殺請求ができなくなります。

また、遺留分侵害の事実を知らなくても、相続開始時から10年が経過すると、やはり遺留分減殺請求ができなくなってしまいます。

自分が相続人となっていることを知り、遺言や贈与があったことがわかったら、早めに遺留分減殺請求かどうかを決めて、内容証明郵便で遺留分減殺請求書を送ることが重要です。

遺留分減殺請求は、弁護士法人YMPにお任せ下さい!

遺留分減殺請求をするときには、相手との間でトラブルになることが多いです。自分で返還請求をしても返してもらえないことが多いですし、無視されることもあります。

弁護士に請求手続を依頼すると、相手も真剣に対応するので返還を受けられやすいですし、調停や訴訟になっても安心です。弁護士法人YMPは、相続問題解決の実績が高く、遺留分減殺請求をされる方のため、万全のサポートを行います。遺留分の請求手続をしようかどうか迷われている方も、是非とも一度、ご相談下さい。